ポストGoogleな技術(1)

今、インターネットビジネスの雄は Google だ。
Google といえばもちろん検索技術だが、それを足がかりにして、今は幅広い分野に手を広げている。
検索の会社がどうしてこんなにいろんなことに手を出すのか?


一昔前に WebServices という技術があった。SOAPWSDL と UDDI とで、個々の独立したサービスがつながりあい、全体として大きなサービスを構成する、という夢の技術だ。
WebServices の描いた夢にかつて共感した身としては、そこにある課題もよくわかっている。

  • それぞれのサービスのインターフェースの違いは WSDL で記述して吸収することになっていたが、やはり吸収しきれず、有為なサービスを構築するためのハードルが高い
  • サービスレベルの確保・維持が難しく、そのため全体を一つのサービスとしたときに有料化できない

これらを技術的に解決するべくXPDL などなどワークフローを整備するための各種技術の開発・制定に尽力し続けているが、残念ながら解決できたという話は聞こえてこない。


一方、現在はSOA(サービス思考アーキテクチャ)という言葉が使われている。
上の話と似ている部分があるが(実際、WebServices 陣営は今は皆SOA、SOAと言っている)、話は180度変わって「大規模なシステムを作るのに、小さなサービス単位で設計、それを集める形で構築する」というトップダウンの考え方だ。
上の2つの課題を解決するのではなく、ある意味回避したわけで、WebServices に比べて大変現実的だが、そこに夢はない。


WebServices の描いた夢を実現するためには、これら2つの課題を何とかして解決しなければならない。
どうするか?


Google は次のようにしてこれらの課題を解決した。

  • サービスの違い => 全てが Google なら、インターフェースの違いは問題ないでしょ
  • 有償化 => 全てがβ版で無償なら問題ないでしょ(広告モデル)


つまり物量とビジネスモデルの限定で課題ごと押しつぶしたわけだ。
しかし確かに課題は解決された。
Google で検索したブログのデータは GoogleBase で管理され、GoogleMaps により地図を貼り付け、それらの更新作業は GoogleCalendar と GoogleMail でワークフロー管理し、GoogleAnalytics でアクセス解析し、GoogleAdsense で広告を貼り付け、その収益は GoogleCheckout にて受け取る。
完璧である。
WebServices の描いた夢が、確かに実現されているわけだ。

(続く)