大勢にものを教えること

ちょっと技術の話ではないのだが。


今頃ながら普通免許を取得するべく自動車教習所に。
ずいぶん久しぶりの「学校通い」を楽しんで(苦しんで?)いる。


自動車教習所のカリキュラムは大きく「技能(実際に運転練習)」と「学科(教室で授業)」に分かれている。
「技能」は誰の目にも明らかに重要で、受講する人間のモチベーションも高い。
一方、「学科」は退屈でしんどそうなイメージがある。必要だから受けざるを得ないが、もし任意だと言われればきっと回避したことだろう。


が、今回教習所で学科の授業を受けてみると、そういったモチベーションの低い有象無象に授業を聞かせるべく色々な工夫が施されていることが感じられて、意外と退屈しなかった。
気がついた範囲の「工夫」を書き並べてみる。

  • 教科書はあえてページ順通りに進まない。あっちいったりこっちいったりすることで、単調になることを防止する。
  • ビデオは細切れに見せる。1回あたりだいたい2分くらい。都度、部屋の電気を点けたり消したりすることで、単純に目を覚まさせる効果もある。
  • 毎回の授業の最初に、ちょうど授業の内容に関連する問題(しかもとてもひっかかりやすい)を3問、プロジェクターに映し出しておく。これを始めに書き写しておくように言い(書き写すことで意識にとどまる)、授業の中でその話題があったときに「ああ、あの問題」という自然な「気づき」を与える


ものを教える仕事に就いていたこともあるので、「短い時間で広く浅く教える場合には、なかなか効果的なメソッドだなあ」などと思わず感心*1


しかし、そういったことにふむふむうなずいていたら、うっかり授業を聞き逃してしまった……
ごく一部の妙な奴には逆効果らしい(苦笑)。

*1:自分の「教える仕事」は「時間をかけて深く教える」というものだったので、そのまま持ってくるのは少々無理があるが