PlaceEngineマッシュアップの「お散歩ろぐ」を公開

PlaceEngine を使った「お散歩ろぐ」というアプリケーションを公開しました。

お散歩ろぐ
http://www.giovedi.net/sampolog/

「お散歩ろぐ」はお出かけ先でインターネットに接続していなくても使える、位置と簡単なメモを記録していくツールです。

お出かけ前に PlaceEngine をあらかじめインストール&起動し、このページを開いておいてください。
外出先で散歩の追加をクリックすると、現在位置を測位し、画面上に日時とテキストメモ記入欄が作成されます。このときはインターネットに接続されている必要はありません。散歩の追加は繰り返し行うことができます。

帰宅後、インターネットに接続してから地図の表示をクリックすると、「散歩の追加」を行なってきた地点がそれぞれ地図として表示されます。このとき、外出先で集めてきた測位の結果をPlaceEngineサーバに送って緯度経度の位置に変換し、ALPSLAB slide を利用して地図表示を行なっています。「周辺情報」をクリックすると対応する ALPSLAB base の地図ページに飛んで、周辺のお店屋情報を見ることが出来ます。
地図表示後、右上の HTMLの出力 や kmlの出力 をクリックすると、それぞれ対応した形式で記録が出力されますので、コピー&ペーストでファイルに保存してください。


30秒ごとに自動的に散歩地点の追加を行わせることができ、さらに結果を kml 形式で出力できるので、そのまま ALPSLAB route に貼り付ければ、ルートマップが作成できます。

「お散歩ろぐ」で作成したルートマップサンプル
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=dfc34be3f5c9813be64fbe03443fb521

また、HTML 出力で作成されるページのサンプルも下記から確認できます。ただし、ALPSLAB slide への負荷を考えて、かなり間引いてあります。

「お散歩ろぐ」で作成したHTMLサンプル
http://www.giovedi.net/sampolog/sampo_sample.html


以下、余談。


マッシュアップコンテスト用に「例によってお馬鹿っぽい小ネタ、PlaceEngineが面白そうだから、なんで位置情報をそんなことに使うねん! ってのがいいなあ」と企んでたんだが、途中考えが理詰に寄ってしまい、結構普通っぽいものになってしまった……。


PlaceEngine は使ってみるとすぐわかるが、特徴的な長所と短所がある。

  • 長所
    • 特別なハードウェアがいらない
    • 測位が速い(1秒程度)
    • 建物内や地下でも使える
  • 短所
    • 精度はほどほど
    • 周辺のアクセスポイントが登録されていないと使えない
    • インターネットにつながっていないと使えない
    • そもそも周りにアクセスポイントがないと使えない*1

長所は特にGPSと比較してのものになろうか。いずれもちょうどGPSの弱点をついた格好になる*2
一方の短所のうち、先の二つについてはPlaceEngineが普及さえすれば相対的に解決されうる問題である。まあ、測位結果が時々とんでもない所に飛んでいくのはさすがにPlaceEngineの方でさっくり解決して欲しいところ。動作原理上どうしても起こりうるのは個人的には理解できるが、一般の人はそういうところ優しくないので……
また、4つ目は本当に全くどうしようもない。トレッキングのお供とか絶っ対無理(笑)。*3


一番困ったのが3つ目の「ネットにつながってないと駄目」というものだ。
位置情報を得たいのは当然移動中であり、つまり満足な接続環境がないことの方が多い。実際、AirH"で接続して頑張ってみたが、WiFiの測位はすぐ終わっても、サーバへの問い合わせと画面の表示を待っていたら1分くらいは優にかかってしまい、「測位が速い」という長所はすっかりスポイルされてしまう。
W-Zero3で自動的にログをとる形で使えば、いちいちネットにつながなくてもいいよ」とか言うかもしれないが、それだと「特別なハードウェアがいらない」に抵触するし(W-Zero3は普通のノートPCに比べればはるかに特別な機器だろう)、色々な可能性をあきらめてしまっているような気がしてならない。


そこで、PlaceEngineをネットにつながなくても使えるようなアプリケーションのデザインはどういうふうになるだろう……というところから考えてしまったわけだ。お馬鹿なものができるはずもない。残念。


ともあれ、このお散歩ろぐをベースに他のAPIを組み合わせることで、「オフラインで使える位置情報アプリ」がどんどん作ることが出来るんじゃないかという気がしている。
このお散歩ろぐのプログラムコードは Creative Commons ライセンスで提供するので、まるっと再利用していただいて構わない。
マッシュアップコンテストの締め切り間近なのでいったんここで公開するが、自分でももう少し他の機能を付け足してみるつもり(今度こそ「なんだこりゃ」なやつを……!)。


ただ、今回の開発で痛感したのだが、位置情報のアプリケーションをテストするにはそもそも「物理的に移動しなければならない」。というわけで、通勤の行き帰りに座れる普通電車をわざわざ選んで、車中でデータ収集&デバッグの毎日……。
位置情報アプリ作ってみようと思っちゃった人はくれぐれもお覚悟のほどを(笑)。

*1:※3/28追記:書き忘れ。まあ自明のことではあるのだが、GPS との比較でこれを記述しないのはフェアじゃないと思うので。

*2:GPSも常に衛星を捉えた状態で待機させておけば、短時間で測位可能な場合もある

*3:※同じく3/28追記