Yahoo! 対 Yahoo!

ソフトバンク、世界最大のSNSマイスペース」日本語版を開始--ニューズグループと合弁で
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20304189,00.htm

Yahoo! Japan はすでに "Yahoo! Days" という SNS を持っており、新しい MySpace Japan は確かに同じソフトバンクグループ内で競合しているようだ。しかし、ここで考えてみたいのはそこではない。


"Yahoo! Days" は 米Yahoo!SNS "Yahoo! 360°" を持ってきた格好になっている。とは言うものの、その2つは機能も見た目もずいぶん違っており、またサービスイン(βだが)にあたってわざわざ名称を変えてはいる。
が、それらを存分に差し引いてもなお「米Yahoo! のサービスを Yahoo! Japan に持ってきた」というのはずいぶん珍しいことであったように思う。


そもそも、同じ Yahoo! ブランドを冠してはいるものの、Yahoo! Japan のサービスは 米Yahoo! からは完全に独立している。YahooID が全く別管理になっているのがその最たる例だ。
他国の Yahoo! は基本的にそんなことはなく、YahooID も米国のものと共通となっている。


その "Yahoo! Days" に他の SNS をぶつけてきた−−しかもよりによって MySpace だ。広告提携において、米Yahoo!Google と争って負けてしまった MySpace ( 参考: http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2540496/detail )。発表に当たってはギリギリまでずいぶん慎重に進めていたようだが、それも無理ない。


また一方で、米Yahoo!Google との技術的な戦いでは最前線で奮闘しており、なかなか刺激的な発表を行っている(例えば id:n_shuyo:20061006:1160103521 とかもそうだ)。
が、もちろんそれらは 米Yahoo! のシステムを前提としているので、同じシステム上でしか有効ではない。要するに「 Yahoo! Japan 以外の Yahoo! 」でしか使えない。


ここからは完全に推測だが、Google がグローバルサービスを行っているのに対し、米Yahoo! は「日本だけ例外」となっていることに苛立ちや歯がゆさを感じているのではないだろうか。
Yahoo! Japan は、ここまで日本に特化したドメスティックなサービス(オークション、ソフトバンク携帯、etc)を展開し、(国内の基準では)十分な成果を収めているのにもかかわらず、米Yahoo! からの「ちゃぶ台返し」、つまりサービスのグローバル化の圧力にさらされているのではないか(同じく推測)。


つまり起きている戦いは「Yahoo! DaysMySpace Japan」ではなく、「Yahoo! Japan 対 米Yahoo!」、「ドメ対グローバル」であり、MySpace Japan はその戦いの一局面でもあるのではないだろうか……?
あながち、うがちすぎではないように思う。


まあ、それはそれとして。
ふと卑近な影響を考えてみると、Yahoo! Japan を抱えるソフトバンクグループが、PV製造工場として名高い ( id:n_shuyo:20061031:1162279407 ) MySpace を取り込んでしまうと言うことだから、Yahoo! Japan の PV を目標とする人たちには頭の痛いことだろうなあと(苦笑)。